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しまひとみの映画鑑賞 Feed

2012年12月23日 (日)

しまひとみの映画鑑賞1「きっと忘れない」

“With Honors” 邦題「きっと忘れない」

He graduated with honors. モンティ・ケスラーは「優」でハーバードを卒業した。

指導教授にもらう「優等賞」ではなく、人生の師匠サイモンから贈られた「人としての優等証書」を胸に抱いて。

優等生として卒業し、良い地位を占め、社会にも貢献したいと考えるモンティ。

しかし思わぬ形でのサイモンとの出会いにより、彼に導かれつつ、共に卒論の制作に励む過程を通じて、心の声に従い、何が真実か自分の目と耳で見極めながら生きることの大切さを身を以て学ぶことになる。

人間とは何か? 人間であることの「真の証し」は何処に存するのか?  という問いに見事に答えた傑作だと思う。

タイトルを「誇りをもって」とする映画評も見られるが、その方が全然よい。

サイモンはハーバードの構内に棲みついたホームレスだが、決してただの物もらいではない。彼がもつ人としての矜持がモンティにも次第に乗り移ってゆく様は、「教育」という営為そのものを象徴的に暗示している。

ひとみが最近見た一本。中古DVD 送料込みで ¥790

映画に限らず、このような素晴らしい作品と数多く出会って心を養い、寛容で慈悲深く、豊かで温かい内面性を培った人のことを美しい魂の持ち主、真に教養ある人というのだとシマフクロウの縞爺は申しております。 なにせ梟言葉なもので翻訳者が必要であります。 翻訳はわたくし  しまひとみ が、あいつとめます。

 

☆しまひとみの映画鑑賞2 「コーリャ 愛のプラハ」☆ 

☆しまひとみの映画鑑賞3 「アメリ」☆

 

12/06/13(1st)

しまひとみの映画鑑賞2 コーリャ愛のプラハ

 

主人公のロウカは元チェコフィルのチェロ奏者。弟の亡命でオーケストラを追われ、アルバイトの梯子演奏で細々と、しかし自由奔放に暮らしている。一流の演奏家を目指すなら、結婚すべきではないという父親の遺言に従い、55歳の現在まで多くの女性を相手に、その日暮らしながらも結構楽しい毎日のようだ。

   

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チェコフィルの本拠ルドルフィーヌム「芸術家の家」

ここにドヴォジャーク・ホールがある

 

プラハの別名は「百塔の街」。それくらい尖塔を伴う建物が多いのだが、ロウカ自身も「私の塔」と呼ぶプラハ城と聖ミクラーシュ教会の見えるアパートの最上階が彼のねぐらだ。そんなある日、友人に偽装結婚の話を持ちかけられ、溜まりに溜まった借金の返済と中古のトラバントの購入費用の足しに、一口乗っかることになった。

 

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聖ミクラーシュ教会 と プラハ城 そして ヴルタヴァ川

 

相手は自分の娘ほども年の離れた子連れのロシア美人。ドイツにいる実の夫を訪ねるためソ連を出国する苦肉の策だった。派手な結婚式と形ばかりの初夜を済ませて間もなく、彼女は5歳の息子コーリャを置き去りにして、恋しい夫のもとへと旅立ってしまう。母親の出奔とチェコで暮らす大伯母の急死により、コーリャの扶養義務が継父のロウカに生じるのだが、突然、降って湧いた事態にロウカは戸惑いを隠せない。

 

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プラハ城から 見た プラハ市街

     右上の ドームが 聖ミクラーシュ教会

 

当時冷戦下のプラハでは、ソ連との友好を確認しあう行事のひとつとして、両国国旗をアパートの窓に飾りつけるコンテストがあったようで、コーリャが「僕らのは美しい」と言えば、ロウカは「お前のパンツのように真っ赤だ」と応戦する。卵ひとつ食べさせるにも「お前の国の鶏が産んだ卵」だとか、ソ連の駐留軍を見つけては「お前の国の軍隊は居座るが、お前はさっさと帰る」とか、子ども相手に大人げないロウカである。

 

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カレル橋から 見た ヴルタヴァ川

 

コーリャはロウカが嫌い。ロウカにとってもコーリャは厄介者。横断歩道でコーリャの手を取ろうにも、にべもなく拒絶されてしまう。ところが風呂に入れ、食事をさせ、映画を見せ、外に連れ出し、結構、甲斐甲斐しく世話を焼いているうちに、いつしか「お父さん」と呼ばれ、強く手を握り締められるまでになるのだから驚きである。厄介払いのため、早々と福祉局に引き取りの申請書を提出してしまったものの、いざ引き取られる段になると、今では実の子のように思えるコーリャを連れて一目散に逃げ出すのだから、おかしくて笑ってしまう。

 

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市中から 見る プラハ城

 

実はこの人間関係の変容、間もなく訪れるであろう1989年のビロード革命の予兆であり、亡命中の名指揮者、ラファエル・クーベリックの帰郷とロウカ自身のオーケストラ復帰の伏線なのだが、スメタナの連作交響詩「わが祖国」の第5曲「ターボル」と第6曲の「ブラニーク」の最も劇的な部分を効果的に用いて、無血革命の様子と二人の音楽家の復帰を重ね合わせながら、一気に大団円へと突き進んで行く終盤は実に圧巻である。

 

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プラハ城 正門 

  オバマ大統領も ここで 核廃絶を 宣言した

 

Img_0441_3半世紀近い社会主義体制の影響か、現在、チェコ人の半数以上が無宗教なのだという。プラハを歩いてみれば一目瞭然だが、街中、至る所に大小様々な教会や修道院が点在し、ここが神聖ローマ帝国の都として中欧における第2のローマであったことを思い知らされる。チェコ最古のビール酒房ウフレクは1499年の創業だが、建物自体は12世紀創立の修道院である。

 

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国民劇場 から 徒歩5分

 ここで 喉を潤して オペラへと 繰り出したの だろうか

 

韓国人が日本人を嫌うのと同様、チェコ人はドイツ人が嫌いだ。理由はドイツの大学史に関する書物の最初の1頁をめくってみれば、たちどころに明らかになる。そこには「ドイツ最古の大学はプラハのカレル大学である」と記されている。ハプスブルク家によるカトリックの支配は、神聖ローマ帝国の都プラハを形作り、スラブ民族のボヘミアにも及んだのである。プラハの旧市街広場には宗教改革者ヤン・フス像が設置されているが、この人こそルターに先立つこと百年、腐敗著しいカトリックに敢然と立ち向かい非業の死を遂げた人であった。ハプスブルク家が、ローマカトリックの権威を笠に着た神聖ローマ帝国(ナチスドイツはここから数えて3番目の帝国に当たる)の盟主として、スラブの人々にもドイツ語を強要したため、日常語としての母国語を奪われた人々が唯一使用を許されたマリオネットの舞台で反骨精神を培っていったのは周知のとおり。

 

旧市街の カレル大学 本部

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UNIVERSITAS CAROLINA

 

14世紀 1348年創設当時の 出窓

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この出窓の 真向かいに エステート劇場

 

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モーツァルト 自身の手で ドン・ジョバンニを 初演

 

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旧市街広場の ヤン・フス像

 
 
2012年7月23日(月)、プラハ旅行に旅立つ朝、NHKニュースで円が対ユーロ相場で11年8か月ぶりに高値を記録したことを伝えていた。11年秋には120円したユーロがこのところ100円を切る水準で推移していたので想定の範囲内ではあったが、実にグッド・タイミングだった。プラハ・ルズィニエ空港とホテル間の送迎をプラハ・エアポート・トランスファーという業者に事前に依頼し、日本円で支払う契約を交わしていたのだが、遠く離れたヨーロッパの地で、いざ日本の紙幣を手渡す段になり、ソウルで日本円を使用した時と同様、ある種複雑な気持ちに襲われた。日本でも米軍基地のある街では普通に見られる光景なのだろうが。ほぼレートどおり、1コルナ=4円での請求だった。旧市街広場からカレル橋、カレル橋からプラハ城へと至る道すがら「ムッシュ!両替しませんか」と声をかけられ続けることになったのだが、これには閉口させられた。通貨も欲しがられるうちが華。国民の預貯金が国の借金としてほぼ全額食い潰されてしまった今日、いつ東電株と同じ運命を辿るかわかったものでない。

 

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カレル橋から 見た プラハ城

 

空港からホテルまで、とにかくSAMSUNGの広告が目についた。運転手も日本のはありませんと気の毒そうに言っていた。実際、5日の滞在で目にした日本は、地下鉄C線ヴィシェフラット駅のコングレス・センターのPanasonicの広告、どこか怪しげな1軒の寿司バー、レクサス他数台の車くらいのもの。幹線道路のディーゼル臭の物凄かったこと。夕暮れのヴルタヴァ河畔を中国と韓国の団体さんが何組か楽しげに散策。高度成長期、セーヌ河辺りでも同じような同胞の姿が見られたに相違あるまい。ホテルのTVチャンネルは20がNHKで21がCCTV。他にはドヴォジャーク・ホール向かいの8か国語表示の円柱広告塔の一番下に日本語で「プラハのイベントと文化」の表示が。私のように極東からでも丸1日かけてわざわざ見物に訪れたい街、実際、真夏でも真冬でも世界中から人々が集まってくる街、それがプラハ。

 

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地下鉄C線 ヴィシェフラット駅 を出ると

 

チェコ 英 独 仏 露 西 伊 日本の 各語 

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8か国語 プラハの イベントと 文化 広告塔

 

1990年、統一ドイツのケルン中央駅でのこと。当時、多く見られたトルコ人労働者の子どもたちがギブミー・マニーをしているのを目の当たりにした。今回も、地下鉄B線のムステック駅でベビーカーの若い母親に無心された。財布からコインを出して見せられ、この子のミルク代がないのだという。近くに駅員がいるのを承知で現地語で必死に訴えるので、演技かもしれないと思いつつ紙入れから10ユーロ出して渡した。目ざとくもう10ユーロあるのを見つけ、それも欲しいというので、拒否した。ビール酒房ウフレクの飲食代が10ユーロ分減ったまでのこと。ウフレクの一杯59コルナのビールはプラハでは最も高いらしい。それでもチェコ一と評判の名物の黒ビール、13度、0.4Lが日本円で240円ほど。長居しなければ、軽い食事をしても10ユーロ=250コルナ=1000円でおつりがくる。キノコとジャガイモのスープも59コルナ。ウフレクで注意すべきは、アニスなどの香草で作ったべへロフカを「食前酒」と称して配って歩くことだ。これはサービスのように見せかけた一種の押し売りである。美しい琥珀色の液体が小さいリキュールグラスで配られる。一杯79コルナ320円ほどだがビールより高い額が、しっかり勘定書きに追加されている。甘いけれど匂いはかなりきつい。口に合わない人も多いだろう。

 

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黒ビール ジャガイモのスープ べへロフカ

 

「コーリャ 愛のプラハ」はロウカとコーリャという異質で対立しあうもの同士が、言語、民族や文化、習慣や偏見を超えて、理解し愛し合えることを両者の心の変容を描くことで表現し、世界中の共感を呼び、アカデミー外国語賞はじめ主要な映画賞を総なめにした秀作である。

 

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モーツァルトの ベルトラムカ荘  動画

 

奇しくも今回の旅の締めくくりは、モーツァルトが何度も滞在し「ドン・ジョヴァンニ」を完成させたベルトラムカ荘だった。地下鉄B線のアンデル駅下車、徒歩で15分ほどのところに静かに佇んでいた。そこは市中の喧騒から隔てられて静謐に支配され、今にもモーツァルトが現れそうな雰囲気を醸し出していた。アンデル駅は地下鉄とトラムと市バスの乗り換え駅で、コーリャの撮影場所のひとつでもある。映画では、地下鉄B線に乗車中、ロウカは女性に、コーリャは仔犬に気を取られている間にはぐれてしまい、お互い右往左往しながらドラマチックに再会を果たした駅である。それは両者が強い絆で結ばれたことを再確認しあうシーンで、この映画の頂点をなすと言っても過言でない、それ程に感動的な場面だった。駅の出口は2か所、ロウカはバスターミナルのある正面へのエスカレーターから、コーリャはベルトラムカ荘方面へと向かう反対側のエスカレーターから上がってくる。そして「コーリャ」と呼びかけるロウカの大きな声を聴いて駆け出し、コンコースの真ん中どころで再会を果たした。ちなみに、撮影時、この駅は「モスクワ通り駅」と呼ばれ、赤い石板の壁にクレムリンの装飾が施されていた。現在はアンデル駅と改称され、写真のようにプラハとモスクワの名前が対をなし、かつての友好のシンボルとして残されている。

 

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この映画、かなり作為的なものの部類に属し、一つ間違えば相当嫌味なものになっていたのではないかと危惧されたのだが、冒頭より、美しい画と音楽が実にテンポよく絶妙に配され、自己中で子ども同然の大人として見られがちだった主人公ロウカの実像も徐々に明らかになっていき、彼のユーモア溢れる反骨精神が、綿々と続く他所者の支配者の圧政に耐え続けたチェコの一般民衆の生き様と重なり、奥深く味わい深い一本に仕上がったように思われる。繰り返しの鑑賞にも耐えられる飽きの来ない佳作。ひとみが自信をもってお薦めできる極上の一本。

「のだめカンタービレ」や「プラハの恋人」のオタクにも鑑賞させてみたいものだが如何だろうか。

 

 

しまひとみのプラハ旅行記(写真集&動画集)

2012年7月

 

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スメタナホールのある市民会館

 

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日没直後のヴルタヴァ川

 

2012年7月23日(月)午後9時  動画

 

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ヴルタヴァ川とプラハ城

 

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夕暮れのプラハ城

 

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旧市街のティーン教会

 

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漆黒の夜に浮かび上がるティーン教会

 

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ドン・ジョヴァンニ初演のエステート劇場

 

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エステート劇場

 

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チェコ建国の地ヴィシェフラット「高い城」

 

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ヴィシェフラットへ

 

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聖マルティン教会のロトゥンダ

  

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ヴィシェフラットの聖ペテル・聖パヴェル教会

 

2012年7月24日(火)午後1時 動画

 

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交響詩「わが祖国」のスメタナの墓碑

 

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ドヴォジャークの墓碑

 

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建国の王女リブシェとその夫プシェミスル

 

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伝説の勇女シャールカ像

 

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ヴィシェフラットからヴルタヴァを望む

 

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ヴィシェフラット 緑の絨毯

 

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ポストモダンのダンシングビル

 

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創業1499年のビール酒房 ウ フレク

 

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ウ フレクの時計

 

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黒ビールとグラーシュ・クネドリーキ添え

 

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ジャガイモとマッシュルームのスープ

 

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ウ フレクから徒歩5分の国民劇場  動画

 

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レギー橋とプラハ城

 

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市民会館内のカフェで

 

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カレル橋東詰の聖サルヴァートル教会

  

2012年7月25日(水)午後7時 動画

オルガンコンサートから

 

モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

バッハ「トッカータとフーガ BWV 565

シューベルト「アヴェ・マリア」

 

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カレル橋からヴルタヴァを望む

 

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プラハ城からプラハ市街を望む

 

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プラハ城大統領府と聖ヴィート大聖堂

 

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聖ヴィート大聖堂

 

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宗教改革者 ヤン・フス 像

 

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日の出直後の旧市街広場

 

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旧市庁舎天文時計

 

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旧市街聖ミクラーシュ教会

 

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旧市街 市民会館西隣 5つ星の「ボヘミア」

 

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寝室にも旧市街のリトグラフが

 

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グランドホテル・ボヘミアの朝食

 

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ホテルでも ウ フレクのジョッキで黒ビール

 

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地下鉄B線アンデル駅構内

 

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地下鉄B線アンデル駅構内エスカレーター

 

映画「コーリャ 」(1996)にも登場。 

 

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ベルトラムカ荘へ

 

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モーツァルト縁のベルトラムカ荘

 

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ベルトラムカ荘

  

2012年7月26日(木) 午後1時  動画

 

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盛夏のベルトラムカ荘

 

 

今回の旅のベストショット3選

 

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No.3 : 旧市街広場から火薬塔へと続く石畳

 

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No.2 : 日の出直後の旧市街広場

 

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No.1 : 漆黒の夜に浮かび上がる

     旧市庁舎時計台

 

 

☆しまひとみのギリシア旅行記☆

☆プラハ旅行記2012「写真集&動画」編☆

☆しまひとみの映画鑑賞1 「きっと忘れない」☆

☆しまひとみの映画鑑賞3 「アメリ」☆

 

 

しまひとみの 映画鑑賞2 「コーリャ  愛のプラハ」

2012/08/24 (1st Version)

 

 

しまひとみの映画鑑賞 3「アメリ」

 

アメリは、神経質で冷淡な元軍医とか情緒不安定な元教師など、通り一遍の人物評では到底理解しえない、かなりな変人の部類に属する両親の間に生まれた気の毒な女の子。特異な家庭環境と教育のせいで、学校に通うこともなく、空想癖のある孤独な少女になっていた。男の子を授かる祈願のためノートルダムへ年に一度の参拝中、飛び降り自殺の巻き添えとなった母親の死後、以前にも増して神経質になった父親との二人暮らしを経て成人したアメリ。モンマルトルのカフェに職を得て、真紅のベレーに身を纏い、前途洋々、嬉々として偏屈な父親のもとを巣立って行った。

カフェ・ドゥ・ムーランのマダムと従業員、そこに集まる常連客も変態とまでは言わずとも、極めて個性的な面々。それぞれに悩みや問題を抱えている。アメリは孤独だが決して自己中な人間なのではない。それどころか、人の痛みが我が事のように分かる心優しい乙女。彼女の人並み外れた空想力は、次々と人扶けのために発揮されて行く。

ある晩入浴後のこと、スリップ一枚の彼女は、ダイアナ元妃の事故死のニュースに驚いて、化粧水のキャップを落としてしまう。そのキャップが転々と転がった先に見つけたもの、それはアパートの昔の住人が少年の日に隠しておいた大切な宝箱だった。もしこの宝箱を元の持ち主の手に返すことが叶いその人に喜んでもらえたら、今度は「私も自分の殻から飛び出そう!」と心に誓うアメリなのだった。

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サンマルタン運河で水切りをすること、クレーム・ブリュレのお焦げにスプーンで穴を開けること、豆のぎっしり詰まった麻袋に手を突っ込むこと、映画を観ている人の顔を観察すること、これらはすべてアメリの密やかな愉しみであり大好きなこと。アメリは水切りをする扁平な石をどこででも見つけては、さっとポケットにしまっているでしょう。趣味とは好きなこと、気持ちのいいことをとことん極める行為なのです!

そう!この映画は趣味判断、つまり美意識の問題に貫徹された破天荒なまでにユニークな映画なのです。美学といえば学問的。しかし、性癖の問題も含め、本来美学は、好き・嫌い、気に入る・気に入らない、気持ちいい・気持ち悪いを端緒とし、快・不快、好・悪、延いては美・醜へと帰着する趣味判断を問題とする学問のことなのですよ。

「アメリ」は、アメリ・プーランというパリの下町で暮らす小柄で可愛い一人のおかっぱ頭の女性の日常生活を中心に、彼女と彼女と関わる人々の趣味や性癖を描きながら、彼らの実に多様で個性的な美意識について、細部に至るまで掘り下げた映画なのです。それだけではありませんよ。これはアメリの幸せ探しの旅路を彼女と一緒に辿る映画でもあるのです。

本編冒頭から約20分、アメリが地下鉄のホームへと降りてゆく場面。ホームの方からシャンソンの一節が聞こえてきます。「あなたがいなければとても生きてはいけない」「きっと知らずにいたでしょう」「この夢のような幸せを」「あなたの腕に抱かれると」「心が喜びで満ち溢れる」「とても生きてはいけないわ」「もしもあなたがいなければ」。それはそこで日銭を稼いでいる盲目の老人のレコードプレーヤーの音楽でした。粋な音楽に乗せて、さりげなく、この映画の真のテーマが提示されました。そしてその老人の少し向こうには4枚20フランのインスタント写真のボックスが。ニノという青年が、這いつくばって床下から何やら搔き出していました。まさに運命の人との出会いなのですが、アメリは怪訝な顔で足早に通り過ぎてしまいます。

ナレーターが二人の過去に遡り、二人は9キロ離れた場所で暮らし、少年は妹を、少女は兄をそれぞれ欲していたと解説します。あとは映画を見てのお楽しみ。

超個性的で性格美人のそこのあなた。あなたもそろそろアメリのように幸せになってはいかがですか?

縞爺も周りにアメリのような女の子がいたら、作中絵描きの爺さんのように彼女の背中を押してやると思います。

しまひとみは 、BS 238 での録画を観ながらこのレビューを書いています。NHKでも放送されたことはあるのかも知れませんが、ノーカット放送だったのでしょうか?

例えば、出産時、アメリが母親の膣口から顔を出して取り上げられるシーン。パリで同日同時刻に絶頂に達した15組のカップルの性交シーン。実はこれもアメリの空想癖の産物なのですよ!アメリが想いを寄せるニノが店番をするポルノショップのシーン。同僚の女性が覗き部屋でストリップを踊ったり、アダルトグッズの巨根ディルドをラッピングする様子とか、しっかりはっきり描かれています。しかし微塵の下品さもありません。これらをカットして放送したら、この映画の素晴らしさは半減することでしょう。

2001年のフランス映画、アカデミー外国語映画賞ノミネート作品。

文句なしの佳作、個人的にも大好きな一本。もちろん推薦作品です。しかしこの映画、映画批評には馴染みません。言語的に論評するのが難しい作品ですし、また下手な論評を拒絶してしまう作品でもあります。鑑賞の後、アメリと一緒に幸せな気持ちになればそれでいいのではないでしょうか。

縞爺も心優しき超変人の一人かもね!

 

映画紹介 アメリ    アメリ「フォトギャラリー」

Audrey_tautou_cannes_2012  Amelie_poulain

オドレイ・トトゥ                Amelie Poulain

 

                   アメリ 公式 ガイドブック

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     アメリの しあわせ アルバム

 

 

☆しまひとみの映画鑑賞1 「きっと忘れない」☆

☆しまひとみの映画鑑賞2 「コーリャ 愛のプラハ

12/10/17(1st)

 

2013年1月5日(土)

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しまひとみの映画鑑賞4 「静かなる男」 

 

ジョン・ウェイン演ずる「静かなる男」は

寡黙ながら、熱く優しい心根の持ち主

日本映画ならこの役は健さん以外あり得ない

合成映像が多いもののアイルランドの景色が素晴らしい

アイルランド民謡の「春の日の花と輝く」

実に効果的で

しまひとみの大好きな黒ビールも随所で描かれ

バリー・フィッツジェラルド演ずるミクリーンにも

終始、心和ませられる

ジョン・ウェインとモーリン・オハラの夫婦が

強欲な兄から苦労の末に引き出した持参金を

まったく惜しげなく

二人して炉の中に投げ入れるシーンは圧巻!

男勝りの大女に見えるモーリン・オハラだが

花を生け、こだわりの食器や調度を飾りつけ

ピアノを奏でながら歌う

濃やかな心情の 

それはそれは可愛いらしい女性だった

彼女の名前は

メアリー・ケイト・ダナハー

ジョン・フォード 異色の名作

 

 

2013年7月24日(水)

しまひとみの映画鑑賞5

「ホテル・ニューハンプシャー」(1984)

 

若き日の おデブな  ジョディ・フォスター

クマの着ぐるみを着た  ナスターシャ・キンスキー

この2人見るだけでも  一見の価値アリ?

 

「ガープの世界」(1982)の ジョン・アービング 原作

「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963)で

アカデミー監督賞 受賞の

トニー・リチャードソンの 知られざる傑作!

夢見る夢男さんと その家族の 波乱万丈な人生史!

 

アメリカ ニューハンプシャー州

オーストリア ウィーン  

そして再び

アメリカ メーン州

 

3つの場所の

ホテル「ニューハンプシャー」で

家族の身の上に

次々と 巻き起こる 事件の数々

 

ばかばかしい と言えば

ばかばかしい のだけれど

その都度

ベリー家の家訓

「開いた窓では 立ち止まるべからず」へと

立ち返らされる!

 

人はみな

死ぬまで

善く

生きなければならない

 

古代の老賢者の箴言にも似た命題へと

循環するように   繰り返し  遡源・遡及させられる

そんな 哲学的な 佳作

 

エンディングでは

「ホフマンの舟歌」に乗せて

全ての登場人物にとって ハッピーな

ホテル・ニューハンプシャーの

理想形が 提示されて

大団円となる

 

クマも出る! 

フクロウは出ない!

ギャツビーは どこに出るの?

映画見たら わかる!

    

参考記事     

 

初出

縞爺しまひとみの「ミネルヴァの梟する」

(2013/07/18)

 

 

2013年9月4日(水)    

しまひとみの映画鑑賞6

小泉堯史 監督 「明日への遺言」  2007)

 

2010年2月17日

76歳で亡くなった

藤田まこと の 遺作映画

 

ひとりの 士  として 

生き  死んでいった

陸軍中将   岡田資(たすく)  という 人間を

見事に演じきったと 思う

藤田自身の遺作に相応しい

それは格調高い映画だった

 

黒澤明脚本の「雨あがる」(2000)

もそうだったけど

小泉堯史監督は

映画 観終わった後

「爽やかな気分」にさせてくれる!  

 

B級戦犯の軍事法廷

判決が下りて

月明かりの下

「ご機嫌よう」

穏やかな一言遺し

処刑場へ向かう

軽やかな足取りは

己自身に対して

一点の曇りなく

信念に基づいて

職分を果たし了えた

士の姿そのものだった

 

スタンリー・クレイマー監督の名作

「ニュールンベルク裁判」(1961)の

エルンスト・ヤニング(バート・ランカスター)とは

好対照の役柄・人間像!

 

「遺言」でも

演劇を勉強中の学生として登場の

長男の  岡田陽 (2009/11/26 没 )さん

爺 多少の縁  ある!

 

横浜の「人形の家」で 人形劇観て

一緒にパスタ食べた思い出ある

2皿頼んで 半分こした

確か 一皿は

バジルの良い風味の

ジェノヴェーゼだった

 

児童劇の舞台観た後

上野駅で別れた思い出もある

滋養強壮の

「すっぽんエキス買いにいく」

言ってた!

 

 

ここから 映画鑑賞6+ 

 

それはそれ これはこれで

「はだしのゲン」の残虐な描写の真偽について  

旧日本軍の「斬首」に関して

「明日への遺言」は

まさに「それ」をめぐっての裁判記録

 

岡田資中将は捕虜になった

無差別爆撃のB29の搭乗員に

斬首命令を下した

日本国内での歴史的事実

 

2013/8/22 

しまひとみの レクイエム2

藤田 まこと  さん  &  岡田 陽  さん

 

   

初出

しまひとみの「ミネルヴァの梟する

(2013/8/22 )

    

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