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2012年12月23日 (日)

しまひとみの映画鑑賞 3「アメリ」

 

アメリは、神経質で冷淡な元軍医とか情緒不安定な元教師など、通り一遍の人物評では到底理解しえない、かなりな変人の部類に属する両親の間に生まれた気の毒な女の子。特異な家庭環境と教育のせいで、学校に通うこともなく、空想癖のある孤独な少女になっていた。男の子を授かる祈願のためノートルダムへ年に一度の参拝中、飛び降り自殺の巻き添えとなった母親の死後、以前にも増して神経質になった父親との二人暮らしを経て成人したアメリ。モンマルトルのカフェに職を得て、真紅のベレーに身を纏い、前途洋々、嬉々として偏屈な父親のもとを巣立って行った。

カフェ・ドゥ・ムーランのマダムと従業員、そこに集まる常連客も変態とまでは言わずとも、極めて個性的な面々。それぞれに悩みや問題を抱えている。アメリは孤独だが決して自己中な人間なのではない。それどころか、人の痛みが我が事のように分かる心優しい乙女。彼女の人並み外れた空想力は、次々と人扶けのために発揮されて行く。

ある晩入浴後のこと、スリップ一枚の彼女は、ダイアナ元妃の事故死のニュースに驚いて、化粧水のキャップを落としてしまう。そのキャップが転々と転がった先に見つけたもの、それはアパートの昔の住人が少年の日に隠しておいた大切な宝箱だった。もしこの宝箱を元の持ち主の手に返すことが叶いその人に喜んでもらえたら、今度は「私も自分の殻から飛び出そう!」と心に誓うアメリなのだった。

  Photo    Photo_2

サンマルタン運河で水切りをすること、クレーム・ブリュレのお焦げにスプーンで穴を開けること、豆のぎっしり詰まった麻袋に手を突っ込むこと、映画を観ている人の顔を観察すること、これらはすべてアメリの密やかな愉しみであり大好きなこと。アメリは水切りをする扁平な石をどこででも見つけては、さっとポケットにしまっているでしょう。趣味とは好きなこと、気持ちのいいことをとことん極める行為なのです!

そう!この映画は趣味判断、つまり美意識の問題に貫徹された破天荒なまでにユニークな映画なのです。美学といえば学問的。しかし、性癖の問題も含め、本来美学は、好き・嫌い、気に入る・気に入らない、気持ちいい・気持ち悪いを端緒とし、快・不快、好・悪、延いては美・醜へと帰着する趣味判断を問題とする学問のことなのですよ。

「アメリ」は、アメリ・プーランというパリの下町で暮らす小柄で可愛い一人のおかっぱ頭の女性の日常生活を中心に、彼女と彼女と関わる人々の趣味や性癖を描きながら、彼らの実に多様で個性的な美意識について、細部に至るまで掘り下げた映画なのです。それだけではありませんよ。これはアメリの幸せ探しの旅路を彼女と一緒に辿る映画でもあるのです。

本編冒頭から約20分、アメリが地下鉄のホームへと降りてゆく場面。ホームの方からシャンソンの一節が聞こえてきます。「あなたがいなければとても生きてはいけない」「きっと知らずにいたでしょう」「この夢のような幸せを」「あなたの腕に抱かれると」「心が喜びで満ち溢れる」「とても生きてはいけないわ」「もしもあなたがいなければ」。それはそこで日銭を稼いでいる盲目の老人のレコードプレーヤーの音楽でした。粋な音楽に乗せて、さりげなく、この映画の真のテーマが提示されました。そしてその老人の少し向こうには4枚20フランのインスタント写真のボックスが。ニノという青年が、這いつくばって床下から何やら搔き出していました。まさに運命の人との出会いなのですが、アメリは怪訝な顔で足早に通り過ぎてしまいます。

ナレーターが二人の過去に遡り、二人は9キロ離れた場所で暮らし、少年は妹を、少女は兄をそれぞれ欲していたと解説します。あとは映画を見てのお楽しみ。

超個性的で性格美人のそこのあなた。あなたもそろそろアメリのように幸せになってはいかがですか?

縞爺も周りにアメリのような女の子がいたら、作中絵描きの爺さんのように彼女の背中を押してやると思います。

しまひとみは 、BS 238 での録画を観ながらこのレビューを書いています。NHKでも放送されたことはあるのかも知れませんが、ノーカット放送だったのでしょうか?

例えば、出産時、アメリが母親の膣口から顔を出して取り上げられるシーン。パリで同日同時刻に絶頂に達した15組のカップルの性交シーン。実はこれもアメリの空想癖の産物なのですよ!アメリが想いを寄せるニノが店番をするポルノショップのシーン。同僚の女性が覗き部屋でストリップを踊ったり、アダルトグッズの巨根ディルドをラッピングする様子とか、しっかりはっきり描かれています。しかし微塵の下品さもありません。これらをカットして放送したら、この映画の素晴らしさは半減することでしょう。

2001年のフランス映画、アカデミー外国語映画賞ノミネート作品。

文句なしの佳作、個人的にも大好きな一本。もちろん推薦作品です。しかしこの映画、映画批評には馴染みません。言語的に論評するのが難しい作品ですし、また下手な論評を拒絶してしまう作品でもあります。鑑賞の後、アメリと一緒に幸せな気持ちになればそれでいいのではないでしょうか。

縞爺も心優しき超変人の一人かもね!

 

映画紹介 アメリ    アメリ「フォトギャラリー」

Audrey_tautou_cannes_2012  Amelie_poulain

オドレイ・トトゥ                Amelie Poulain

 

                   アメリ 公式 ガイドブック

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     アメリの しあわせ アルバム

 

 

☆しまひとみの映画鑑賞1 「きっと忘れない」☆

☆しまひとみの映画鑑賞2 「コーリャ 愛のプラハ

12/10/17(1st)

 

2013年1月5日(土)

            Photo
 

しまひとみの映画鑑賞4 「静かなる男」 

 

ジョン・ウェイン演ずる「静かなる男」は

寡黙ながら、熱く優しい心根の持ち主

日本映画ならこの役は健さん以外あり得ない

合成映像が多いもののアイルランドの景色が素晴らしい

アイルランド民謡の「春の日の花と輝く」

実に効果的で

しまひとみの大好きな黒ビールも随所で描かれ

バリー・フィッツジェラルド演ずるミクリーンにも

終始、心和ませられる

ジョン・ウェインとモーリン・オハラの夫婦が

強欲な兄から苦労の末に引き出した持参金を

まったく惜しげなく

二人して炉の中に投げ入れるシーンは圧巻!

男勝りの大女に見えるモーリン・オハラだが

花を生け、こだわりの食器や調度を飾りつけ

ピアノを奏でながら歌う

濃やかな心情の 

それはそれは可愛いらしい女性だった

彼女の名前は

メアリー・ケイト・ダナハー

ジョン・フォード 異色の名作

 

 

2013年7月24日(水)

しまひとみの映画鑑賞5

「ホテル・ニューハンプシャー」(1984)

 

若き日の おデブな  ジョディ・フォスター

クマの着ぐるみを着た  ナスターシャ・キンスキー

この2人見るだけでも  一見の価値アリ?

 

「ガープの世界」(1982)の ジョン・アービング 原作

「トム・ジョーンズの華麗な冒険」(1963)で

アカデミー監督賞 受賞の

トニー・リチャードソンの 知られざる傑作!

夢見る夢男さんと その家族の 波乱万丈な人生史!

 

アメリカ ニューハンプシャー州

オーストリア ウィーン  

そして再び

アメリカ メーン州

 

3つの場所の

ホテル「ニューハンプシャー」で

家族の身の上に

次々と 巻き起こる 事件の数々

 

ばかばかしい と言えば

ばかばかしい のだけれど

その都度

ベリー家の家訓

「開いた窓では 立ち止まるべからず」へと

立ち返らされる!

 

人はみな

死ぬまで

善く

生きなければならない

 

古代の老賢者の箴言にも似た命題へと

循環するように   繰り返し  遡源・遡及させられる

そんな 哲学的な 佳作

 

エンディングでは

「ホフマンの舟歌」に乗せて

全ての登場人物にとって ハッピーな

ホテル・ニューハンプシャーの

理想形が 提示されて

大団円となる

 

クマも出る! 

フクロウは出ない!

ギャツビーは どこに出るの?

映画見たら わかる!

    

参考記事     

 

初出

縞爺しまひとみの「ミネルヴァの梟する」

(2013/07/18)

 

 

2013年9月4日(水)    

しまひとみの映画鑑賞6

小泉堯史 監督 「明日への遺言」  2007)

 

2010年2月17日

76歳で亡くなった

藤田まこと の 遺作映画

 

ひとりの 士  として 

生き  死んでいった

陸軍中将   岡田資(たすく)  という 人間を

見事に演じきったと 思う

藤田自身の遺作に相応しい

それは格調高い映画だった

 

黒澤明脚本の「雨あがる」(2000)

もそうだったけど

小泉堯史監督は

映画 観終わった後

「爽やかな気分」にさせてくれる!  

 

B級戦犯の軍事法廷

判決が下りて

月明かりの下

「ご機嫌よう」

穏やかな一言遺し

処刑場へ向かう

軽やかな足取りは

己自身に対して

一点の曇りなく

信念に基づいて

職分を果たし了えた

士の姿そのものだった

 

スタンリー・クレイマー監督の名作

「ニュールンベルク裁判」(1961)の

エルンスト・ヤニング(バート・ランカスター)とは

好対照の役柄・人間像!

 

「遺言」でも

演劇を勉強中の学生として登場の

長男の  岡田陽 (2009/11/26 没 )さん

爺 多少の縁  ある!

 

横浜の「人形の家」で 人形劇観て

一緒にパスタ食べた思い出ある

2皿頼んで 半分こした

確か 一皿は

バジルの良い風味の

ジェノヴェーゼだった

 

児童劇の舞台観た後

上野駅で別れた思い出もある

滋養強壮の

「すっぽんエキス買いにいく」

言ってた!

 

 

ここから 映画鑑賞6+ 

 

それはそれ これはこれで

「はだしのゲン」の残虐な描写の真偽について  

旧日本軍の「斬首」に関して

「明日への遺言」は

まさに「それ」をめぐっての裁判記録

 

岡田資中将は捕虜になった

無差別爆撃のB29の搭乗員に

斬首命令を下した

日本国内での歴史的事実

 

2013/8/22 

しまひとみの レクイエム2

藤田 まこと  さん  &  岡田 陽  さん

 

   

初出

しまひとみの「ミネルヴァの梟する

(2013/8/22 )